空が灰色に変わって
雫が落ちてきた


雨に濡れて僕は
雨音がだんだん強くなっていることに
気が付いて。


そうしたら
驚くことに
いつの間にかキャンディーが
紛れていたんだ


キャンディー?


目を疑って
おそるおそる受け止めて
口に含んだそれは


とても甘くて
毎日の雑多な日常にささくれ立った
僕の心に染み入って。


ビターでスウィート


あどけない少年期の
気持ちが思い出されて
だんだんレモン味に変化して。


通り雨が止む


神様が一瞬くれた
甘酸っぱい記憶を取り戻す
時間だったのかもしれない


(初恋ノ、味)