薄皮を肉を、切り裂いたあの日を覚えているか
脳髄に突き抜ける寒気、生暖かい赤色
滴り落ちる液体に無関心な僕は
血に塗れた手で掴めるものなど
何もないと知っていたけど
綺麗すぎるそれでも結局何も手に入らなかったよ


刃物を捨てた日を忘れたのか
臆病になった僕は
切り裂く痛みに怯えているよ
心を切り開くより痛いことなんてないのに
かさぶたを自ら剥いで滲み出る液体に唇をつける
錆びた味、僕自身だね
夜の帳には銀色の刃が良く映える