霧雨が降りしきる
紫の紫陽花
葉から 花びらから
滴り落ちる 雨水


木陰に 置き去りにされた
小さな猫


雨を僅かでも避けれるように?
誰かが箱に入れて
置いて行った


置き去り


「誰か拾って下さい」


震えながら 硝子みたいな
小さな目で 視線で訴える


一瞬立ち止まって、立ち去ろうとした


「動物は キライだ」


言葉も通じず 意志の疎通も出来ない
そんなの リアルな人間関係だけで
たくさんだ


か細い 声。
助けを求める 声。
そんな目で 僕を見ないで。


助けを求めたいのは
僕も一緒なんだ


誰かを助けられるほど
高尚な人間じゃない