依存心の強いきみが隣に人を置かずに
生きていけるわけがないと、確かに知っていた
愛されていると思っていた

大好きだよ、とやさしい声でささやく
愛の言葉の裏側で
ほんとうは誰に縛られていたのか
それだって知っていたのに

「人は過去になんて縛られたりしない」
ノートに何度書き殴っても
見えない糸は絡みついたままだ

求めたものは似ていた
欠けた魂の一部分が酷似していた
きみを赦していたら、
なにもなかったようにしていたら、
すべてを赦して抱きとめていれば、

さようなら
彼を愛したきみはもういない
残されたのはきみを愛した僕だけ
僕の抜け殻だけ